【知識】トリガーポイントについて
こんにちは。
伊勢市 腰痛専門 整体院
ブログの内容
✅ トリガーポイントとは何か?
・トリガーポイントの定義
・筋膜の存在
✅ トリガーポイントの特徴と原因
✅ トリガーポイントの進行段階
トリガーポイントとは
「押すと鋭い痛みを感じる過敏になった限局性のスポットで筋組織の触診可能な索状硬結上の結節の中に存在する」
とTravell & Simonsにより定義されています。
簡単にいうと「押すと痛みが出るポイントで、筋膜組織にできる微細なコリ」ですね。
トリガーポイントを説明する上で必ずと言っていいほど出てくる「筋膜」という身体の組織があります。
厳密にいうと筋筋膜と表記した方が良いのですが、ここでは筋膜とさせていただきます。
筋膜には表面から順に「浅筋膜」「深筋膜」「筋外膜」「筋周膜」「筋内膜」に分類されます。
図:http://triggerpoint.jp/より引用
このように筋肉の中や外側を包んでいる膜で、第二の骨格とも呼ばれるほど身体の動きに関与している組織です。
この筋膜には、ヒアルロン酸などが含まれているため潤滑作用があります。だからスムーズに滑るように動くことができます。
しかし、筋膜に機能不全が起こってしまうとネチャネチャと柔軟性がなくなり動きが悪くなります。それがトリガーポイントの始まりです。また筋膜は全身繋がっているので、この動きの悪さは他の部位へと連動していきます。
また、「痛みの95%はトリガーポイントが原因である」とTravell & Simonsにより言われています。
当院においても臨床上のデータをみていくと90%以上はトリガーポイントによる痛みであると考えています。
トリガーポイントの特徴と原因
特徴
①ジャンプサイン:押すとその部分に強い痛みが出る。
②関連痛:別の部分に痛みを出してしまう。
③不定愁訴:内臓の不調、神経症状、心理的な悪影響の原因にもなる。
なんといっても「関連痛」の存在が厄介になってしまいます。
トリガーポイントとは離れた部分に痛みやシビれを引き起こしてしまうので、しばしば全く違う診断名をつけられていたりすることが起こります。
そうなると治療方法も全く違うので要注意です。
例えば、下図をご覧ください。
『Myofascial pain and Dysfunction The Trigger Point Manual』 より引用
お尻の筋肉にトリガーポイント (×印)ができた時の関連痛は赤い領域に出現します。
坐骨神経痛だったり、ふくらはぎの痛み、ときに足首やくるぶしの痛みしびれはこのお尻の筋肉が原因で症状が出ていたりすることも多いわけです。
原因
①長時間の同姿勢:仕事や育児など
②繰り返す動作:趣味やスポーツなど
③強い刺激:事故や手術の後遺症など
他にも、自律神経系やホルモンの乱れや内臓の疲労や病気からも筋肉が強く緊張してしまいトリガーポイントを作ることもあります。これを「内臓体性反射」と呼びます。
いずれも無意識のうちにトリガーポイントが作られているケースが多く、本人も気づいていないことが多いです。
トリガーポイントの進行段階
トリガーポイントには症状の進行があります。
①初期段階 (筋硬結段階)
トリガーポイントを押さえると、痛みが出現します。しかし、何も負担がかからない状態が続くと基本的には自然治癒していくものです。大きな負担がかかっていると症状は進行すると言われています。
②中期段階 (潜在的トリガーポイント段階)
トリガーポイントを押さえると関連痛が出現します。また中期段階から動作時の痛みも出現すると言われています。そのまま放っておいてしまうと後期段階へと進行してしまいます。
③後期段階 (活動的トリガーポイント段階)
安静時にも痛みを伴うようになります。トリガーポイントを押さえるとかなりの痛みが出現し日常生活に支障をきたすようになります。
いつか治るだろうと長期間放って置いたりすると、ますます痛みが強くなっていったりすることが多いです。症状が進行してしまわないように早期段階での適切な処置が必要になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。